2022年10月に統計検定2級(CBT方式)に合格したので、勉強方法と出題内容の要点を記載していきます。これから受験を考えている方の参考になれば幸いです。
勉強方法
統計検定2級の合格に向けては試験範囲について幅広く抑えておくことが重要だと感じました。また、試験時間は基本的に足りないので、追い込み段階では時間を測りつつ、問題ごとにざっと見て方針が思い付かなかったらスキップするという判断力をつけた方が良いです。
勉強のステップは、教材を用い統計検定2級の全体像をざっくり把握する、過去問を解いて傾向を把握する、教材と過去問を往復し不明点を明確にしていく、時間を測って過去問を解く、という流れが良いと思います。
それでは、具体的に勉強する際のおすすめ教材を紹介します。
おすすめ教材
次の3つの教材がおすすめです。
- 統計WEB:統計学の基礎から分かりやすく説明されているサイト。参考書や辞書代わりに利用
- とけたろうチャンネル(YouTube):統計検定2級の範囲を網羅的に動画で解説しているチャンネル。単元ごとに過去問に沿った演習問題と解説がついている。このチャンネルの内容を全て理解すれば合格できるかと。
- 公式問題集:日本統計学会が出版している公式の過去問集。傾向を掴むために過去問は一通り解くことをお勧めします。また、追い込み段階では時間を測り、難問はスキップするという判断力をつけることを推奨します。ちなみに解説は勉強し始めの段階では理解しにくいので、解説サイトを見た方が良いです。
序盤は統計WEBで統計学の用語や内容をざっくり理解し、中盤以降はとけたろうチャンネルと過去問を往復し問題の傾向を掴み、抜け漏れを補完していくのが良いと思います。
要点メモの作成
学習した内容の定着と復習のために要点メモを自作していましたが、個人的にこれは結構効果がありました。それは、試験範囲もそれなりに広いので一度学習した内容を忘れたり、どこで学んだかも分からなくなりがちだったからです。情報元もセットでメモしておけば詳細の確認もスムーズなのでオススメです。
参考までに自作の要点メモを一部公開します。
統計検定の要点
勉強方法の冒頭でも記載しましたが、統計検定2級の受験にあたっては試験範囲の内容について幅広く抑えておく事が重要です。
筆者は、先に上げた自作の要点メモを元に曖昧な部分を復習し内容を定着させていきました。メモを作るのは少し手間ではありますが、メモを作る過程で大分理解が進んだのと、復習する際にも自分が過去理解できていなかった部分が詳しく記載されるので最高の参考書になったと思います。
以下に統計検定2級範囲の項目を列挙しますので、チェックリスト代わりに参考にしてもらえれば幸いです。先に紹介した「おすすめ教材」でほぼ網羅できるはずです。
- 度数
- 四分位範囲、四分位数
- ローレンツ曲線
- ジニ係数
- 標本抽出法
- 層化(層別)抽出法: グループ分け+無作為
- クラスタ(集落)抽出法: 無作為+全数
- 多段抽出法: 無作為+無作為+...
- 系統抽出法: ナンバリング+一定間隔
- フィッシャーの3原則
- 局所管理: ブロック内で均一な条件へ
- 無作為化: 処理をランダムに割り当て
- 繰り返し: 複数回実施。偶然誤差の大きさを評価
- 移動平均(偶数項/奇数項の場合)
- コレログラム
- 物価指数(ラズパイレス、パーシェ)
- 期待値・分散の公式
- 定義、四則演算、係数、分散の算出、独立の場合
- 変動係数
- 共分散と相関係数
- 定義と導出の公式
- 線形変換した時の変化
- 偏相関係数と擬相関の意味
- 確率計算
- 独立の場合、排反の場合
- ベイズの定理
- 条件付き確率
- 事後確率
- 事前確率
- 確率変数の期待値と分散
- 確率分布
- 正規分布
- 標準正規分布への変換
- 正規分布の結合
- 標準化得点
- 歪度と尖度
- 二項分布
- 概要
- 期待値と分散
- 正規近似
- 条件と近似式
- ポアソン分布
- 概要
- 期待値と分散
- 幾何分布
- 概要
- 期待値と分散
- 正規分布
- 標本平均と不偏分散(対数の法則、中心極限定理)
- 推定
- 母平均、母分散、母比率の推定
- 母平均の推定
- 正規母集団、母分散既知、95%区間
- 正規分布 * (母分散/標本のルート)
- 正規母集団、母分散未知、
- T分布 * (不偏分散/標本のルート)
- 母分散未知、大標本
- 正規分布 * (不偏分散/標本のルート)
- 正規母集団、母分散既知、95%区間
- 母分散の推定
- カイ二乗分布
- 母比率の区間推定
- 大標本:E=p, V=pq/nの正規分布で計算
- 母平均の推定
- 母数(母平均、母分散、母比率)の差の検定
- 母平均、母分散、母比率の推定
- 検定
- 母平均、母分散、母比率の検定
- 母平均の検定
- 正規母集団、母分散既知:Z値(母分散)と棄却域の計算: N(0, 1)分布
- 正規母集団、母分散未知:T値とT(n-1)分布
- 母分散未知、大標本;Z値(不偏分散)とN(0, 1)
- 母比率の検定
- 母平均の検定
- 差の検定
- 母比率の差の検定
- 母平均の差の検定(帰無仮説: μ=0)
- 対応のある場合(正規母集団)
- T値
- 対応のない場合
- 正規母集団、母分散既知 or 大標本→ Z値 or T値
- (難): 正規母集団、母分散未知、等分散→ T(n1+n2-2)の検定
- 対応のある場合(正規母集団)
- 二項分布の正規近似
- 適合度の検定
- カイ二乗分布
- 独立性の検定(過去問: 2016-6)
- クロス表+カイ二乗
- 等分散性の検定
- F分布: F=U1^2/U2^2
- 母平均、母分散、母比率の検定
- 一元配置分散分析(過去問 2019-11)
- 水準間平方和、残差平方和の計算と自由度
- F分布 F(水準数 - 1, 全標本 - 水準数)
- 回帰
- 残渣の自由度: 標本数N - 定数項を含む係数の数
- 検定: 帰無仮説 係数=0か検定する
- 検定量(T値): 回帰係数 / 標準誤差
- 棄却域: t(残渣の自由度)から算出
終わりに
統計検定2級の合格までの道のりを振り返り、オススメの勉強手順や教材を紹介しました。これから受験される方の参考になれば幸いです。
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